【ベランダガーデン】

都市部には緑が少ない。
日々の暮らしで、時に息苦しさも感じる。
私は少年時代、マンション住まいで
ベランダで過ごす時間が大好きだった。

制約の多いベランダ活用

ベランダは幼い頃の自分にとって、住まいの中でホッと一息つける特別な空間だった。
捕まえてきた昆虫や魚を、そこで飼ってみたり
植木鉢に種を植えて、何が芽吹くか見守ったり…。
思春期は1人でぼーっとできる大切な場所になった。

ベランダの居心地のよさを知っているから
庭づくりを仕事にしている今、そこを小さな庭につくり変えるプランを時々、手掛けている。
ただし、”条件”がなかなかてごわい。

ベランダは、マンション全体の共用部。手を入れる際は管理組合の許可がいる場合がある。
避難口はいつでも開けられる状態にしておかなければならないし
工事中の騒音問題に発展しないよう、近隣への配慮も必要。

制約が多いけれど、それらをクリアして
共に協力していただける方とベランダガーデンを作るのが面白い。

 

「部屋を1つ増やしたい」

そのお客様は、やんちゃ盛りの男の子2人がいる4人家族。
お住まいのマンションは角住戸で、ベランダは広く、眺めもいい。
「部屋を1つ増やす感覚で、ベランダをくつろげる空間にしたい」と望まれていた。

そこでベランダにシンプルなウッドデッキをつくった。
お客様は、ベランダを部屋の延長として考えていらしたので
素足で気持ちよく歩けるのが良いと思った。

そこで材には、九州産の飫肥(おび)杉を選んだ。
これをバーナーであぶり
水洗いして煤(すす)を落とし、足触りの良い浮造り仕上げにした。

掃除やメンテナンスがしやすいことも、大事なポイント。
デッキは”すのこ風”にして、簡単に分解できるよう取り付けた。

完成したベランダガーデン。
お客様は、リビングに置いていたテーブルを運び出し、
ベランダで食事を楽しんだり、普段のデスクワークの場として活用している。
ひとつ問題があって、居心地が良いから普段よりも晩酌がすすみ
つい飲み過ぎてしまうそうだ。

 

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